ダウとX-エナジー、⽶国エネルギー省の先進原⼦炉実証プログラムにおいて、 初の先進小型モジュール原子炉を工業地に配備する計画を発表

  • ダウとX-エナジー(X-energy)が、ダウの米国メキシコ湾岸地域拠点の1つに、 4 基の Xe-100 施設を開発する共同開発契約を締結
  • ⽶国エネルギー省がダウをX-エナジーの先進原子炉実証プログラム協⼒協定の二次請負会 社に指定
  • DowとX-エナジーは、産業界の顧客に適用可能な技術を開発し、ライセンス供与を予定

世界的な素材科学会社であるダウ(NYSE: DOW、本社︓⽶国ミシガン州、会⻑兼CEO︓ジム・フィッタリング)と、クリーンエネルギー発電⽤の先進原⼦炉および燃料技術の主要開発企業であるX-エナジー・リアクター・カンパニー(以下「X-エナジー」)は、3月1日、北⽶の産業施設向けに初のグリッドスケール先進原⼦炉を実証するための共同開発契約(以下「JDA」)を締結したことを発表しました。

ダウは、⽶国エネルギー省(以下「DOE」)の先進原子炉実証プログラム(以下「ARDP」)協⼒協定の二次請負会社として、X-エナジーと協⼒し、ダウの⽶国メキシコ湾岸地域拠点の1つにXe-100⾼温ガス冷却炉(以下「HTGR」)プラントを設置し、2030年までに安全、信頼性、かつ低炭素の電⼒と蒸気を提供することを意図しています。JDAには最大5000万ドルのエンジニアリング作業が含まれており、その半分については ARDPから、残りの半分についてはダウから資⾦提供を受けることが可能です。また、JDAの作業範囲には、米国原⼦⼒規制委員会(NRC)への建設許可申請書の作成と提出も含まれます。

ダウの会⻑兼CEOジム・フィッタリング(Jim Fitterling)は、次のように述べています。「X-エナジーの第4世代原⼦⼒技術の活⽤により、ダウは当社の顧客や社会に低炭素製品を提供しつつ、⼆酸化炭素排出量の削減において大きな一歩を踏み出すことができます。X-エナジーとDOEとの協⼒は、産業部⾨がいかに安全に、効果的に、そして⼿頃な価格で脱炭素化できるかを⽰す代表例となるでしょう」

DOEと協⼒し、その審査と承認に従って、ダウとX-エナジーは2023年に⽴地選定を最終化する予定です。両社は、プロジェクトの進捗に応じて、JDAの下でARDP関連のさらなる業務を⾏う意向です。さらに、両社は、他の産業界の顧客がXe-100産業⽤低炭素エネルギー技術を効果的に利⽤できるように、このプロジェクトから得られた技術および知識を共同でライセンス化し活用するための枠組みを開発することに合意しています。

X-エナジーのCEO、J.クレイ・セル(J. Clay Sell)氏は、次のように述べています。「本日の発表は、Xe100の商業的汎⽤性を実証するものであり、世界の先進原⼦⼒とカーボンフリーエネルギーの将来にとって重 要なマイルストーンとなるものです。X-エナジーとダウのコラボレーションは、エネルギー集約型の産業部門における排出量をさらに削減する絶好の機会であり、大きな意義をもたらします。私たちの技術は、サプライチェーンの最初から最後まで、経済のほとんどのセクターで電⼒と熱の両⽅を供給し、⼆酸化炭素排出量の抑制に貢献することができます。私たちは、ダウと協⼒してプロジェクトを成功させ、X-エナジー独⾃の原⼦⼒エネルギー技術の広範で柔軟性の高い応用を実証できることをうれしく思います」

X-エナジー社は、カーボンフリーで信頼性の⾼いベースロード発電のための、より⾼度な⼩型モジュール炉(SMR)と独⾃の燃料を開発するリーディングカンパニーです。既存の軽⽔炉などの⼩型モジュール炉とは異なり、X-エナジーのHTGR技術は、⾼温の熱と蒸気の出⼒によって幅広い産業利⽤をサポートし、⼤規模および地域の電⼒や産業用製造システムの両方のニーズに対応することが可能です。4 基のリアクターを擁するXe-100 原⼦⼒発電所は、消費者や企業が日々使⽤する重要な製品を製造するためのコスト競争⼒があり、低炭素の生成プロセスを経た熱と電⼒をダウの施設に提供することになります。X-エナジーの革新的で簡素化されたモジュール設計により、道路を使った輸送、拡張性の推進、建設スケジュールの加速、より予測可能で管理しやすい建設コストの作成が可能になります。

2020年にDOEから選定されたX-エナジーは、ARDPの下で最大12億ドルの連邦費⽤分担資⾦を受け取り、30年末までに運⽤可能な先進炉と燃料製造施設を開発、認可、建設、実証します。分担資⾦を授与した後、X-エナジーは原⼦炉のエンジニアリングと基本設計を完了し、テネシー州オークリッジでの燃料製造施設の開発を進め、NRCへの認可申請書の提出を準備しています。

※本参考資料は、2023年3月1日にダウが配信したリリース「Dow and X-energy advance efforts to deploy first advanced small modular nuclear reactor at industrial site under DOE’s Advanced Reactor Demonstration Program」の抄訳です。当資料の正式⾔語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。

ダウについて
ダウ(NYSE:DOW)は、グローバル展開、設備統合と規模、焦点が明確なイノベーションと素材科学の専⾨知識、業界および ESG(環境・社会・ガバナンス)におけるリーダーシップを基に、利益ある成⻑そして持続可能な未来の実現を支援します。ダウの目指す姿は、最もイノベーティブ、顧客本位、インクルーシブそしてサステナブルな素材科学会社となることです。ダウが擁するプラスチック、工業中間体、コーティング、シリコーン事業は、包装やインフラ、モビリティ、コンシューマ
ー⽤途など成⻑著しい市場におけるお客さまに向けて、差別化された、科学技術に基づく製品やソリューションを提供します。世界 31 カ国で製造拠点を操業し、従業員数は約 3 万 7800 人です。2022 年度における純売上⾼は約 570億ドルです。「ダウ」または「当社」は、ダウ社(Dow Inc)またはその関連会社を示しています。詳細な情報はウェブサイ
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