- 同様の施設としては欧州最大規模、かつドイツでは初
- 世界中の主要ブランドに対してより多くの再生プラスチックを供給するための、欧州と米国で計画されている複数のユニット増設計画目標の一環。2030年までに60万トンのアドバンスド(高度)*リサイクル能力を増設
- 超臨界蒸気を活用するミュラのHydroPRS™(熱水プラスチックリサイクルソリューション)アドバンスドリサイクルプロセスは、これまで「リサイクル不可能」とされてきたとんどの種類のプラスチックを変換する独自のプロセス
- 2030年までに100万トンのプラスチックを回収、再利用、リサイクルするという、ダウの気候変動およびサーキュラーエコノミーに関する目標に大きく貢献
- ダウの支援により、ミュラテクノロジーの複数年にわたるプロジェクト計画の構築を実現。その初となるプロジェクトは、英国ティーサイドで設置予定であり、2023年のフル稼働に向け進捗
世界有数の素材科学企業であるダウ(NYSE: DOW、本社:米国ミシガン州、会長兼CEO:ジム・フィッタリング)と高度なプラスチックリサイクルソリューションの世界的パイオニアであるミュラテクノロジーは9月14日、世界のプラスチック廃棄物問題の解決とサーキュラーエコノミー(循環型経済)の推進の支援に向けた継続的な協力関係において、次の段階となる取り組みを発表しました。ミュラは、ダウのドイツ・ベーレンの拠点において新たな設備を設置する計画です。これは、プラスチックのアドバンスドリサイクルを急速に拡大するための、これまでで最大の取り組みの一環として米国と欧州における一連の計画の最新の発表であり、ダウの事業所を拠点とする最初の施設となる予定です。このプロジェクトは、2023年末までに最終的な投資判断がなされる予定です。
ミュラの新しいベーレン施設は2025年までに操業開始予定であり、フル稼働時には年間約12万トンのアドバンスドリサイクル能力を提供することになります。この施設と、欧州と米国で建設予定の他の施設を合わせると、2030年までに60万トンのアドバンスドリサイクル能力が追加される見込みであり、ダウはポリエチレン生産のための循環型原料の世界最大の消費者と位置付けることになります。
ダウの原料およびコモディティ事業のバイスプレジデントであるイサム・ショメリ(Isam Shomaly)は、次のように述べています。「ダウとミュラのコラボレーションの継続は、循環型の原料を確保し、画期的なアドバンスドリサイクル技術の発展を支援するために戦略的な設備増強に取り組むダウによる一例となります」
ダウのパッケージング・アンド・スペシャルティ・プラスチック事業社長であるディエゴ・ドノーソ(Diego Donoso)は、次のように述べています。「私たちは、リサイクル素材を原料とするダウの生産能力の増強に努めており、プラスチックの循環型ビジネスモデルを可能にする、最も有効な技術への投資を続けています。原料の多様化と設備の脱炭素化により、『持続可能で低炭素な未来』というダウの目標の達成が可能となり、循環型ポリマーに対する旺盛な需要に応えることができます。これは、化石由来のバージン原料への依存度を下げるための重要な一歩にもなるでしょう」
この新しい施設計画は、2021年に初めて発表されたダウとミュラの継続的なパートナーシップを基盤にしています。ミュラのHydroPRS™プロセスを使用した世界初のプラントは、英国ティーサイドにおいて2023年に年間2万トンの生産ラインによる稼働する予定です。ドイツ・ベーレンの施設は、ダウの製造施設と併設される予定であり、プラスチック廃棄物の処理能力を大幅に拡大し、完全循環型原料の供給を大幅に増加させる見込みです。現在、焼却や埋め立て処分されているプラスチック廃棄物から得られるこの循環型原料は、化石由来のバージン原料への依存を減らす見込みであり、特に食品や医療用途などハイエンドで環境意識が高い市場向けに、グローバルブランドから高い需要があるリサイクルプラスチックをダウが供給できるようになることが見込まれます。
ダウは、リサイクル施設の増設に伴うコストの大幅な削減を可能とする、共同立地の利点の活用を目指しています。また、ミュラの施設をダウの拠点に併設することで、引き取りの輸送を最小限に抑え、アドバンスドリサイクルプロセスから発生するガスをプラスチックに戻すことができるため、副産物を無駄にすることなく、二酸化炭素排出量を削減することが期待されます。
ミュラテクノロジーのCEOであるスティーブ・マホン氏は、次のように述べています。「世界的なプラスチックの危機に立ち向かうためには、循環型経済を推進する革新的なソリューションが必要となります。ミュラとダウのコラボレーションは、業界全体でこれまでで最大の取り組みであり、業界リーダーたちは、世界のプラスチック業界を変革するHydroPRSのような拡張性のあるソリューションの採用に高い関心を表しています。ダウによる継続的な支援は、資金調達力の高い商業的な取り決めにつながっており、協力関係の深化により、両社は高度リサイクル分野で掲げた目標を達成することができるようになるでしょう」
「循環型プラスチック経済を世界的に加速するためのダウの取り組みは、ドイツで最も新しい高度なリサイクル施設にHydroPRSを導入することで好例を示しており、これにより、リサイクル能力を劇的に向上させることが可能になります。私たちのパートナーシップとダウの世界規模での広範な事業活動を通じて、世界における循環型プラスチック経済を実現する速度と規模を加速させることができます」と述べています。
ミュラのHydroPRS™アドバンスドリサイクルプロセスは、超臨界蒸気(圧力と温度が上昇した水)を使用して、これまで「リサイクル不可能」とされてきた軟プラスチックや多層プラスチックを含むほとんどの形態のプラスチックを、元の油や化学品に変換する独自のプロセスです。このプロセスを利用して、食品包装に適したバージン材と同等の新しいプラスチック製品を作ることが可能になります。
ミュラのプロセスでは、同じ材料を繰り返しリサイクルすることができます。つまり、使い捨てのプラスチックを排除し、埋め立てや焼却処分を防ぐことが可能になります。また、アドバンスドリサイクルプロセスにより、焼却処分と比べてリサイクルされるプラスチック1トンあたり約1.5トンの二酸化炭素が削減されるため、化石由来の原料への依存を軽減することが期待されます。
*アドバンスドリサイクルは、廃棄プラスチックを原料に戻すケミカルリサイクルの意であり、ダウは従来にない革新的なケミカルリサイクル技術としてこれをアドバンスドリサイクルと呼んでいます。
※本参考資料は、2022年9月14日にダウが配信したリリース「Dow and Mura Technology plan to locate Europe’s largest advanced recycling facility at Dow’s site in Böhlen, Germany」の抄訳です。当資料の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。
ダウについて
ダウ(NYSE:DOW)は、グローバル展開、設備統合と規模、焦点が明確なイノベーションと素材科学の専門知識、業界および ESG(環境・社会・ガバナンス)におけるリーダーシップを基に、利益ある成長そして持続可能な未来を実現します。ダウの目指す姿は、最もイノベーティブ、顧客本位、インクルーシブそしてサステナブルな素材科学会社となることです。ダウが要するプラスチック、工業中間体、コーティング、シリコーン事業は、包装やインフラ、モビリティ、コンシューマー用途など成長著しい市場におけるお客さまに向けて、差別化された、科学技術に基づく製品やソリューションを提供します。世界 31 カ国で 104 カ所の製造拠点を操業し、従業員数は約 3 万 5700 人です。2021 年度における純売上高は約 550 億ドルです。「ダウ」または「当社」は、ダウ(Dow Inc)またはその関連会社を示しています。詳細な情報はウェブサイト www.dow.com またはツイッターアカウント@DowNewsroom をフォローください。
ミュラテクノロジーについて
ミュラテクノロジーのミッションは、世界のプラスチック汚染をなくし、持続可能な社会を実現することです。ミュラは毎年何百万トンものプラスチックと CO2 が自然環境に流出するのを防ぎ、800 億ドル相当の失われた資源であるプラスチック廃棄物を価値ある世界的な商品へと変える、世界的にスケーラブルな技術のパイオニアです。ミュラの技術は、すべてのプラスチック廃棄物をリサイクルすることができ、新しい製品の原料を生産することで、化石燃料由来の新しいプラスチックの必要性を削減することを可能にします。ミュラは、世界最大のグローバルブランドと提携し、今後 10 年間で世界規模に拡大し、持続可能なプラスチック経済を実現することを目指しています。ミュラは、2025 年までに 100 万トンのプラスチックリサイクルの能力を稼働または開発することを計画しています。英国ロンドンに拠点を置くミュラの詳細な情報は、ウェブサイhttp://www.muratechnology.com/ をご覧ください。
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