ダウ、循環型プラスチックの生産能力を世界的に拡大、 2022 年に初期製品を顧客へ供給

  • 米国および欧州における進展により、ダウは、従来リサイクル不可能であった材料から循環型 ポリマーを生産可能に
  • 循環型プラスチック製品を顧客へ提供するために重要となる、第三者認定の取得に向けて順 調に進捗

ダウ(NYSE: DOW、本社:米国ミシガン州、会長兼CEO:ジム・フィッタリング)は、プラスチック廃棄物の抑制、温室効果ガスの排出削減および化石燃料由来のバージン・プラスチックと同じ性能を持つリサイクルプラスチック製品 を顧客へ提供する取り組みにおいて、いくつかの進展を発表しました。 

この進展によりダウは、2022年より完全循環型ポリマーを顧客へ初期供給することが可能になります。

ダウのパッケージング・アンド・スペシャルティプラスチック事業部プレジデントであるディエゴ・ドノーソ(Diego Donoso)は、次のように述べています。「市場は循環性を重視しており、ダウは、循環型および低炭素ポリマーの大きな潜在 的需要を満たすために革新を続けています。素材科学のトップ企業として、顧客が現在求めているものを提供し、100パーセントリサイクル可能なソリューションや、リサイクル素材やバイオ素材を製品に活用できるように取り組むなど、顧客のよりサステナブルな製品開発を支援しています」

今回の進展について:

  • ダウとフエニックス エコジー グループ(Fuenix Ecogy Group)は、高度なリサイクルを通じた循環型プラスチック生産の拡大に向けた初期契約を拡大し、オランダのヴェールトに第2工場を建設します。新しい工場 では、2万トンの廃棄プラスチックが熱分解原料油に加工処理され、オランダのテルネーゼンに所在するダウの生産拠点において、新しい循環型プラスチックの生産に使用されます。 
  • ダウとグンバー ペトローリアム ロッテルダム(Gunvor Petroleum Rotterdam)は、プラスチック廃棄物由 来の熱分解原料油を精製する最終契約を締結しました。グンバーは、2021年からクラッカーに対応した原 料をダウへ供給開始し、この原料は顧客向けの循環型プラスチックの生産に使用されます。この精製プロセスは、熱分解原料油が新しいポリマー生産に必要な品質を保つために必要となります。 
  • ダウは、プラスチック廃棄物由来の熱分解原料油の精製能力を拡大するために、オランダのテルネーゼンに おいて、市場開発規模での精製装置の設計、エンジニアリング、建設を急速に進めています。
  • ダウは、北米でリサイクルされたプラスチックを由来とする熱分解原料油の供給に関して、テキサス州タイラー を拠点するニューホープエナジー(New Hope Energy)と複数年契約を締結しました。ニューホープエナ ジーは、使用済みプラスチックを熱分解原料油に転換し、ダウはそれを使用して循環型プラスチックを生産します。
  • ダウは、認定を受けた循環型プラスチック製品を顧客へ提供するために、欧州各国および米国の主要拠点 において、国際持続可能性カーボン認証(ISCC)を既に取得しているか、または取得に向けて順調に進 んでいます。認定には、製品のサプライチェーンが完全に追跡可能で、ダウおよびそのサプライヤーによってサステナブルな業務慣行を遵守または促進されていることを保証する、独立した外部監査が必要です。 

最近、ダウはミュラテクノロジーと提携し、ミュラのHydroPRS™(熱水プラスチックリサイクルソリューション)と呼ばれ る新しい高度リサイクルプロセスの急速な拡大を推進することを発表しましたが、今回の進展はその取り組みを補完 するものとなります。HydroPRS™を用いた世界初の工場は、現在イギリスのティーズサイドで建設中であり、2023 年には年間2万トンの最初の生産ラインが稼働開始予定です。これによりダウは、さらなるリサイクル原材料を調達 できるようになります。

これらの取り組みにより、例えば包装用軟質プラスチックなど従来ではリサイクルができず、一般的に焼却または埋め立て処分されているプラスチックをリサイクルできるようになります。

「ダウは、私たちが思い描く未来を実現するための先端技術の共同開発を継続していきます。その未来とは、炭素 排出削減においてプラスチックが果たす重要な役割を含め、プラスチックが持つ大きな環境的利点が損なわれないよ う、循環型プラスチックをサステナブルかつ資源効率よく生産することです」と、ドノーソは述べています。

ダウは、気候変動およびプラスチック廃棄物に対応するために、サステナビリティ目標の達成に向けて重要な段階を 進捗させています。2030年までに、直接またはパートナーシップを通じて100万トンのプラスチックを回収、再利用、リサイクルし、2035年までに、包装用に販売される製品の100パーセントを再利用可能またはリサイクル可能にするという目標を定めています。


※本参考資料は、2021年10月6日にダウが配信したリリース「Dow expands global capabilities for circular plastics, with initial products available for customers in 2022」の抄訳です。当資料の正式言語は英語で あり、その内容および解釈については英語が優先されます。

ダウについて

ダウ(NYSE:DOW)は、業界で最も幅広い技術分野と設備統合、焦点が明確なイノベーションとグローバルなスケール を基に利益ある成長を実現します。素材科学の専門知識とパートナーとのコラボレーションを通じて、世界のためにサステ ナブルな未来を築くというパーパス(存在意義)の下、最もイノベーティブ、顧客本位、インクルーシブそしてサステナブルな 素材科学会社です。ダウが擁する機能性素材、工業中間体およびプラスチック事業のポートフォリオは、包装やインフラ、モビリティ、コンシューマー・ケアなど成長著しい市場における顧客企業に向けて、差別化された技術に基づく幅広い製品や ソリューションを提供します。世界 31 カ国で 106 カ所の製造拠点を操業し、従業員数は約 3 万 5700 人です。2020 年度における純売上高は約 390 億ドルです。「ダウ」または「当社」は、ダウ社(Dow Inc)またはその関連会社を示しています。詳細な情報はウェブサイト www.dow.com またはツイッターアカウント@DowNewsroom をフォローくだ さい。

 

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